ずるい彼
わたし達はそれからも
仕事帰りにそれぞれ勤務する支店から
真ん中あたりで落ち合い
食事やお茶をした
お互いに激務が続き
ほんとは仕事とおうちの往復以外に
余裕なんて無いはずなのに
睡眠時間を削りながら
会っていた
不意にその日はやってきた
ある夜、帰り際
彼に身体を引き寄せられ
彼が顔を近づけてきた
私は自然と顔を傾け目をつむり
彼の唇が、、、と思った瞬間
何故だか彼は顔を引いて
私の顔を確認したようだった
えっ?いま引くの?
何ともいえない恥ずかしさで
逆に私の方から唇を近づけキスをした
初めてのキスは
まさか
自分から奪いにいくような
かたちになるなんて
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